第31回50展がはじまるよ

表導会表装作品展

今年も、首都圏を中心に、しょうふ糊にこだわった伝統工法で制作する表装教室、表導会の展覧会が銀座の交通会館ギャラリーで開催されます。

表導会表装教室は、伝統的な表装文化、表装技術の継承が難しくなってきていた、30年以上前に、このままでは、表装文化が無くなってしまうと危機を覚えた、主宰の清水達也が各地のカルチャーセンターを中心に一般の方に、表装技術を教え始めたのが始まりです。

いまでは、約30ヵ所ほどの場所で、表装教室を開講しており、沢山の技術者が先生として、教えていたり、プロとして活動しているまでなったようです。


いまでは、業界内である程度の理解は得られておりますが、30年以上前には、カルチャーセンター内で職人の技術である、表装技術をお金をもらって、教えるということは、業界内でも賛否両論あったようです。当時は否のほうが多かったようですが・・・・




そんな、表装教室の展覧会の季節が今年もやってまいりました。以前は青山ブックセンター内にある、イベントスペースで20回ほど開催されておりましたが、その場所の閉鎖にともない、現在の東京交通会館Bギャラリー1F「パールルーム」に場所を移して開催されております。


この、会場がとても面白いのは、この会場、恐ろしいほど乾燥をしているギャラリーなのです、表導会の表装教室は、小麦粉でんぷん糊、しょうふ糊のみを使用して作る、掛軸や屛風たちですので、化学糊を使用した軸や近代表装よりも、はるかに難しい技術を要します。そして、しょうふ糊の特徴として、環境に影響されやすいということがあります、要するに、環境が変わると、掛かり具合、綺麗に掛かるかどうかという点で、狂いが出てきやすくなります。


極端な例でいうと、東京で制作した、掛軸を北海道で掛けたら、えらい軸が暴れたなんてことがあったりします。

これは、乾湿の影響でそのようなことが、起きるのですが、それが、展示会場で起こっていると考えてみてください。


家ではきれいに掛かっていたのに、展示会に持っていったら、暴れてしまう・・・なんとも悲しいことですが、この表導会では、この状況も逆手にとり、これが軸の面白さ、そして奥深さということで来場者に説明されております。


あまり、表装だけの展示会というのは、他の所でもないと思いますので、ぜひ一度、表装とはどのようなものか、そして、表装の別の一面も楽しめる、この展示会に遊びに寄ってみてはいかがでしょうか?


ちなみに50展とは、100点まで、まだまだいかない、まだまだ半分、日々修行という意味もあるようです。


展示会の詳細

日程:平成28年11月13日(日)~11月19日(土)
時間:11:00~18:00(初日13:00~ 最終日~16:30)
会場:東京交通会館ギャラリー1F「パールルーム」


佐河太心

「日本かけじく協会 代表」 「渋谷の掛け軸屋 代表」「掛軸師」「オルク有限会社 取締役」基本的には掛け軸に関するプロフェッショナル。掛軸に関して知らないことは無い!とは言わないです・・・むしろ、まだまだ勉強中だが、自分の知った知識はどんどん伝えていき、少しでも掛け軸ファンを増やすために日々活動中。

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